2005年03月09日

火火

高橋伴明の「火火」を観てきた。実存する女性陶芸家神山清子とその息子賢一の物語であり、白血病で倒れた賢一を救うため骨髄バンク設立に奔走する母親の生き様を丹念に描いている映画だ。
とは言うもののありがちなお涙ちょうだい的な作品ではなく、陶芸に一生を捧げ、息子を救うために全身全霊をかける母親を監督いわく「ハードボイルド」な視点から撮っている。
私のようにピンク映画時代の高橋伴明を知っている人間としては、制作費300万のピンクを量産していた頃と変わらぬスタンスに一種の安心感を覚える部分はあるのだが、逆に20年前と基本的に全く変わらない点に彼の限界も感じてしまうのである。
私が思うに高橋伴明は男と女を描きつつ、その背後に広がる「時代」を常に撃ちつづけていた映画作家である。
時代は変わっても、基本的に変わることがない不動のスタンスに映画作家としての「陰り」を感じるのは私だけであろうか。
取りざたされる某宗教団体との密接な関係も、映画作家としてはマイナス以外の何者でもないと思うのだが。
「火火」は確かによく出来た作品である。キネ旬ベストテンとかにも確実にランクインするだろう。
しかし時代を撃てなくなった高橋伴明には、私としては一抹の寂しさを感じてしまうのである。

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posted by 若旦那 at 22:19 | 秋田 ☁ | Comment(2) | TrackBack(0) | 火火 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
うちの両親が観に行ってたなぁ〜
その映画
Posted by スガワラ at 2005年03月10日 12:18
先日、監督と主人公のモデルとなった人が「ワイドゆう」に出ていて、魁新聞にも結構大きくとりあげられていました。
遠山景織子演じた主人公の娘のモデルとなった人が天王町に住んでいるらしいとのこと。
というわけで映画を観終わった後、ロビーで陶器の即売&骨髄バンク寄付金の受付をやっていた中年のおばさんの会話を聞いていたら、なんとその人が遠山景織子のモデルだったようです!
Posted by 武田 at 2005年03月11日 01:09
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